シュタイナー教育をもっと知りたい① | シュタイナー独特の思想

シュタイナー教育を三輪ひかりが解説

連載第1回目ではシュタイナー教育の基礎である「シュタイナー教育の教育方法の3つの特徴」をお伝えしました。

読んだことにより、こんな環境の中で子育てをするのがシュタイナー教育なんだと理解した方がいる反面、逆に少し分かったからこそ、「なぜそんな教育方法を取るの?」と疑問に感じた方もいると思います。

そこで今回は、そのシュタイナー教育の特徴がうまれた起源でもある、シュタイナー教育の思想についてお話していきます。

そもそもシュタイナー教育という呼び名は、その考案者である哲学者、ルドルフ・シュタイナーの名前からきています。そして哲学者シュタイナーが確立した「人智学」が基礎となっているのがシュタイナー教育なのです。

どんな思想が根底にあるのか詳しくみていきましょう。

三輪ひかりがお届けします♪

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1. シュタイナーの人間観

そもそもシュタイナー教育の考案者であるルドルフ・シュタイナーが確立した人智学では、宇宙・地球・自然・人間…この世界にあるものすべてが関連づいていると考えられています。

例えば、私たちは当たり前のように食事をしていますが、それも人智学に基づいて言うと、宇宙があるから、太陽や地球があり、植物が育ち、私たち人間が食べ物を食べることができ、生きることができるというように考えるのです。

そのため、シュタイナー教育では地球のリズム(1日、1週間、四季など)に合わせて生活のリズムを捉えたり、オーガニックな暮らしをしたりすることを大切にしているのです。

自然と共に生きることを大切にしている

自然と共に生きることを大切にしている

 

また、シュタイナー教育の中では、ひとは「精神」、「こころ」、「からだ」の3つから成り立っています。

この「精神」と「こころ」と「からだ」がバランスの取れた状態であることができるよう、シュタイナー教育ではひとりひとり違う「精神=自我」を持っているということを大切にしています。

そのため、シュタイナーの保育園や幼稚園などでは、おおまかなカリキュラムはありますが、全員でいっせいに同じ絵を描くことなどはせず、子どもたちひとりひとりに合った関わり方をする園が多いのです。

2.あなたはどのタイプ?シュタイナーの「4つの気質」

人は大人も子どもも皆、それぞれ「その人(子)らしさ」を持っています。

同じ親から生まれたのに、兄弟で全然性格が違うということもよくあるのではないでしょうか?

シュタイナーは、そんな「その人らしさ」を「気質」と呼び、4つのタイプに分けました

この気質は、人間が生まれながらに持っている個性に親からの遺伝が混合することによってうまれると考えられています。

ここでは、それぞれの気質についてどんな特徴があるのかお話しするので、自分やお子さんがどの気質に当てはまるかチェックしてみてくださいね。

じっくり時間を持って向き合ってあげたい「憂鬱質」

girl

地タイプと呼ばれ、非常に内向的で、外と自分との関係を作るのが不器用。

  • 小さくきれいな字を書く
  • 何事にも冷静で慎重
  • 感じやすく、傷つきやすい
  • 考えることが好きで、物事をそのまま受け取らない
  • 想像力が豊か
  • 一度決めたら最後までやり通す

ゆっくりしたテンポで歩んでいこう「粘液質」

boy

水タイプと呼ばれ、食べること、寝ること、休むことが好きでおっとりしている。

  • いつも穏やか
  • 繰り返し同じことをしても飽きない
  • 何事にも慌てず、落ち着いている
  • 待つことが得意
  • 激しい変化が苦手
  • 慎重ですぐには判断しない

まっすぐ前を向いて進む「胆汁質」

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火タイプと呼ばれ、自己主張がはっきりし正義感が強い。

  • 感情の起伏がはげしい
  • 物事の白黒をはっきりさせなくては気がすまない
  • 暴力的になることもある
  • 意志が強く、活動的
  • 新しいことにチャレンジすることが好き

自分自身を認められるように向き合ってあげたい「多血質」

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風タイプと呼ばれ、人当たりも良く優しいが、人によく見られたいという想いが強い。

  • 動作もことばもいきいきと明るい
  • 誰とでも友だちになる
  • たのしいことが好きで、いろいろなことに関心を持つがあきっぽい
  • 美的感覚が鋭い
  • みんなを喜ばせる為に嘘をつくことがある
  • 喜びや悲しみに対して敏感

子育てをしていると、この子は◯◯ちゃんと相性が良くなさそうということや、子どもが自分の言っていることや感情を理解してくれないということがあると思います。

実はそれはこの4つの気質が関係していたのです!

胆汁質(火)と粘液質(水)タイプ、多血質(風)と憂鬱質(地)がそれぞれ正反対の気質と言われ、衝突をうむことがあるそうです。

逆に、同じ気質同士だと波長が合うということもあります。

ずっと同じ気質であったり、一つの気質しか持っていなかったりするということではなく、その子の発達の状態やその時の様子によって変化すると言われていますが、シュタイナー教育では、この4つの気質をひとつの指標として子どもたちの姿を見守っているのです。

3.生きる力をはぐくむ「第1・七年期」

シュタイナー教育では、人間の成長発達の節目は7年ごとにあると言われています。

第1・七年期:0歳〜7歳(乳幼児期)…意思が育つ

第2・七年期:7歳〜14歳(児童期)…感情が育つ

第3・七年期:14歳〜21歳(青年期)…思考が育つ

※シュタイナー教育の中では21歳が成人とされています

なかでも0歳〜7歳までの第1・七年期は、人間の根っこが作られる時期と言われ、「生きる力」を育む時期としてとても大切にされていて、この2つの視点から子どもの成長について考えます。

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①土台になる「健康なからだ」

第1・七年期では、人間の一生の土台となる健康なからだ作りをする時期です。

からだにいい食事や充分な睡眠を取ること、また全身が感覚器官と呼ばれるこの時期に、からだ全身を使ってあそぶことが大切です。

シュタイナー教育の中で早期知育がよくないと言われているのもこのため。

この時期に早期知育をしてしまうと、本来からだ作りとこころを育むのに使うべきエネルギーが思考に使われてしまい、充分にからだを作ることができなくなってしまうからです。

②マネすることで成長する「模倣の時期」

この意思が育つ時期にいる乳幼児期の子どもたちは、100%模倣する存在であるとも言われています。

歩く、話す、考えるという人間特有の3つの行為もパパママや身近な大人の生活する姿をお手本として、学んでいるのです。

まとめ

いかがでしたか?

第1回目でお話させてもらったこととは、また別の角度からシュタイナーについての理解を深められたのではないでしょうか?

シュタイナー教育は、子どもたちが元来生まれ持ったちからを大切にしています。

そんなその子らしさを伸ばそうとする教育方法の根底には、

  1. シュタイナーの人間観
  2. 4つの気質
  3. 生きる力を育む第1・七年期

という考え方があったのですね。

次回は、あなたのお子さんやご家族にシュタイナー教育が合うのかを見極めるポイントについてお話する予定です。

■イラスト | 亀関友子 HP

参考文献:

加納美智子 (2006) 「今日からできる 7歳までのシュタイナー教育」学陽書房

(2007) 「月刊クーヨン7月号増刊 -0〜7歳を大切にする シュタイナーの子育て」クレヨンハウス

高橋巌 (1990) 「シュタイナー教育を語る 気質と年齢に応じた教育」角川選書

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