半径3メートルからつながっていく「子育てと政治をつないだら」藤岡聡子さんに聴く|後半

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KURASOU.代表、藤岡聡子さんと息子くん。聡子さんは週に3回ほど、子連れで利用できるシェアオフィス(子育てビレッジ)を利用されています。インタビューの間、隣であそぶ息子くんとパチリ。
藤岡聡子さんへのインタビュー、後半をお届けします。

※藤岡聡子さんインタビュー前半はこちらから

 

◆KURASOU.の立ち上げはまだ息子くんが2歳になる前ですよね。産後は子育てで手一杯になってしまいそうですが。聡子さんご自身の話をお聞きしたいです。

自分が死ぬ前に、何を残せるか 

face実は私の妊娠がわかったときに、実家の母の病気がわかり、結局息子が11ヶ月のときに、母を看取りました。いろんなものを失ってしまったし、いろんなものが一気にきちゃいましたね。でも、自分は生きると決めたわけです。ちょっと大げさですけど、明日もし自分が死んだら、何を残せるだろうと考えた。すごく月並みなんですけど、完全に研ぎ澄まされたなと思っています。

もっと前で言うと、私は小6で父親を亡くしているんですよね。その影響で、もしかしたら自分は死ぬのが早いんじゃないか・・・?みたいな思いがあった。だから「これをやらなくて、死んじゃったら後悔するな」とか、「最後にいい顔して死ねないな」とか思っちゃうんですよね。それは母を看取ってからすごく強い。

だから、やりたいという気持ちに対して、シンプルに行動した、それだけじゃないかと思います

どう自分の背中を子にみてもらおうか

face母を亡くしたのは、私が親になってから。その影響で、どう自分の背中を子にみてもらおうかというのを、人以上に感じやすいとも思います。

選挙ポスターがあると子どもに「よし息子よ、きいてくれ。この国のルールは・・」と話し始める。

たまに、ちょっと自分自身がめんどくさい奴だなって思うときがあるんですけどね(笑)

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「私もやらなくちゃ」という想いになってくれた

◆ 活動をやり続けるパワーの源はなんですか。

faceKURASOU.は5人で始めたんですが、いまは3人です。1人新しく加わりましたが、立ち上げメンバーの3人はもう抜けています。

その抜け方が、私にはとてもうれしい形でした。

あるメンバーは、最初はサポート的な参加の仕方を望んでいたんです。「事務とかでいいよ」と。けど、私は「大丈夫。それよりも、自分が親として学びたいことはなにか教えてくれる?」ってひたすら聴いた。

私自身はずっと背中を見せ続ける、挑み続けるということをやりました。

そしたら、彼女自身がやりたいことを見つけて、抜けることになった。KURASOU.で、メンバーとして入って学んでいるうちに「私もやらなくちゃ!」という想いになってやってくれた。それがめちゃくちゃ嬉しかったんです。

「その人が動く」ことが大事

face本当はずっと一緒にメンバーとしてやりたいんですね。でも一番大事なのは「ここにいてください」じゃなくて、「その人が動くには何が必要か」。自分が相手に固執しちゃだめですね。

ちょうど私の二人目の出産と同時の出来事だったから、なんだかいろんなもの産んだなというか。そうしたメンバーの育ちが一番勇気になっています。

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本当は気づいているんでしょう?

◆ワークショップをやるなかでの気付きはなんでしょうか。

faceそうですね。「やっぱり、みんな思ってることあるんだなぁ」っていうことです。

 

◆KURASOU.ホームページに大きく書かれている「本当は気づいているんでしょう?」という言葉とリンクしていますね。

face親同士って、子どもの話をひたすら話しがちですよね。KURASOU.を始める前は、「子ども以外の話、したらいいのに」と感じることがありました。

KURASOU.のワークショップでは、みんなが自分が主語になった上で、想いを語る。盛り上がってしゃべりすぎて、時間が足りない!みたいなことになるわけです。

グループで話をしているときに、ある瞬間に、「・・・ピン!」と、その輪の中でみんなの想いが重なる瞬間があるんです。言葉ではなくて、空気が一体となる瞬間です。それをみられるのが一番面白いし、やっていてよかったなと思います。

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faceKURASOU.では、安全に話せる場所を作ることを大事にしているので、ワークショップのルール(グランドルール)をあらかじめ設定しています。なので、参加される方が思いきって話せるというのも大きいと思っています

KURASOU.で行なうワークショップのルール

1、議論ではなく、他者の話を傾聴する

  「対話」の場です。

2、特定の政党・政治家を支持する場

  ではありません。

  支持を呼びかける等の行為はできません。

3、ここでの話は、ここだけの話に。

参加者のアウトプットしている場面が一番好き。

◆参加者の方の話をされているとき、聡子さんいい表情されていますね。

face先ほど話した、言葉ではなくて、空気が一体となる瞬間、その場面が一番好きです。もう一つのパワーを貰えるところですね。

私は、目の前の人がどこまでシンプルになれるのか、に興味があって。参加者同士が楽しくなってきて「私はこう思うんだよね」「私も私も」と次々に話をしていく。

こんなこと人と話せるんだ!という内なる喜びですよね。きっとその瞬間が。それがシンプルになるきっかけになるんじゃないかな。そんな環境をつくっていきたいです。

かっこつけなくていい、正直になればいい

◆育児中の女性・男性に伝えたいことはなんですか。

faceどこまでいっても1人の人間で居続けていいんじゃないかな、思うんです。

誰々のママ、誰々のパパになりがちですよね。親になった途端自分ができてないことを、こどもに対して「ちゃんとしなさい」となる。私もなることあるんですけど(笑)

でも、自分ができていないことは、できていないんだと正直になればいい。

子どもを子どもとして下に見るんじゃなくて、対等な人間として対話していく。親はこうあるべき論にふりまわされるんじゃなく。

自分の気持ちをしまっちゃうのはもったいない。

face誰々のママじゃなくて、私は○○という名前でいる。子どもが産まれても、自分の興味があることは追い求めてもいいんじゃないかな。それが大変だけど楽しいに繋がると思います。

ママだから、○○だからしたらダメっていう言葉に押しつぶされて本当の自分の気持ちをしまっちゃうのはもったいないですよね。

政治への関わりもそうだし、本当は気になっている海の向こう側のこともそう。「意識高いって言われたくないから、気になる討論会があってもその日はピクニックいれてます」と気持ちをしまってしまうひと達。そういうところを「おーい、こっちだよ、ツンツン」ってしていく人でありたいと私は思うし、そういう人たちが少しでも増えてきたらいいなと思います。

私は○○したい、だからやる

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友達100人に「期日前投票いった?」っていう話をしなくてもいいと思っています。
大事なことは、本当に自分の気のおける5人位の友達でいいから、政治について話せる、ということ。

小さな規模でいい、本当に自分の心に思ってることを出していける場所や人間関係をつくっていけたらいいですよね。
自分の心から湧いてくる気持ちに正直になれたらいいなと思います

実際にはいろんな事情があるだろうけど、それでも、やりたい気持ちに正直でいると、きっと自分の幸福度って上がるんじゃないかと思います。

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半径3mからつながっていく

◆すごくそういう関係性、楽しいですよね。現実ではなかなかきっと難しいんだろうなっておもうから、ワークショップで味わってみて「やっぱり楽しい」って思うと次やってみよう、仲いいあの子に話してみようってつながっていくのかなって。

faceそういう場が自分の半径3mからまたつぎの人の半径3mになればいいし、そうやって少しずつ仲間をつくる連鎖をつくっていけたらいいなと思います。

◆最後に、ハンドブックについてお聞かせください。

faceハンドブック「子育てと政治をつないだら」の副題は、「なんだか世の中の動きについてきちんと知りたくなった親のため本」。

ワークショップへの参加は物理的にも精神的にもハードルを感じてしまうかもしれませんが、ハンドブックなら気軽に、政治への関わり方を知ることができます。

ハンドブックを手にとることで、少しでも知識を得たり、主体的に何かに関わろうというきっかけになったらいいなと思います。

政治に関わることは、私たちの暮らしをつくっていくことに通ずるのですから。

※ハンドブック「子育てと政治をつないだら」は、発行3週間で北は青森、南は福岡まで、200冊を越える注文を頂きました。

-一つ一つの質問に対して、はっきりと答えてくださる聡子さん。その内側に揺るぎない覚悟を感じました。
お話を聴くうちに、私も自然に「私にできること、私がしたいことはなんだろう」と考えていました。
みなさんはどんなことを感じましたか。周りの人と感想を話しあってもらえたら嬉しいです。

ハンドブック「子育てと政治をつないだら」は子育てに関するいろいろなデータがわかりやすくコンパクトにまとまっています。
遠いように思えるけれど、子育てと政治はつながっていること、私たちの暮らしを変えてきたことを感じることができます。
最初に一歩に、購入してみてはいかがでしょうか。

ハンドブック「子育てと政治をつないだら」はKURASOU.のサイトより購入いただけます。
(※ハンドブックは「初めて政治や行政のことを知ろうと考えた方向け」になっています。内容は東京都を中心に作成しています。)

◆ハンドブック「子育てと政治をつないだら」購入はこちら
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