ねかしつけ会議①|ねんねトレーニングの方法をプロが語り合った

スキンタッチは、スプーンを使った

ねかしつけと夜泣き。こそだて期の悩みのトップは、これじゃないでしょうか?

やり方しだいで、夜泣きやねぐずりはほんとに減らせる?そんな疑問から企画したのが、この会議。

ねかしつけ・ねんねトレーニングのプロ2人をお呼びして、赤ちゃんのねむり・寝かしつけについて話し合ってもらいました

おもしろいものになりそう…予想は大当たり!本で得る以上の貴重なヒントにあふれていました。

初回のテーマは、ねんねトレーニングってどんなもの?

ねかしつけを見直すきっかけになるはず!では、スタート。

ねかしつけ会議 メンバー

■鍼灸師:伊藤かよこさん

伊東かよこ

 

はりきゅう師。息子の夜泣きにほとほと困り果て、ねんねトレーニングにたどりつく。その後、ささない、なでる小児はりを学び、夜泣き・かんしゃくの施術とスキンタッチ指導、ママのカウンセリングをしている。

 

■保育のプロ:うすいみほさん

保育アドバイザーうすいみほ

保育アドバイザーで一児の母。幼稚園・チャイルドケア担任・家事代行&シッター教官、など乳幼児保育・教育経験は16年になる。小枠で行っている子連れシッターは保育の適切なアドバイスがもらえると大好評。

 

■進行:いくじの窓口代表 市原

市原史帆の写真

現在1歳の一児の母。『いくじにチョイスを』をキーワードに、様々な育児情報を収集、発信中。夜間断乳をきっかけにこども眠りが変わったことに驚く。ねかしつけに興味が増す。

 

ねかしつけの実践者と、ねんねトレーニングのプロ

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一度に30人を寝かしつけた、保育のプロ

―おふたりの寝かしつけへの関わり方やスタイルについて教えてください。ではみほさんから。

みほ: 保育士、ベビーシッター、保育アドバイザーとして、たくさんのこどもと関わってきました。保育園で多い時だと一度に30人、シッターだと1対1、あと自分のこどもも、寝かしつけしました。

いろんな場所、時間、状況で寝かしつけましたね~。子どもを寝室へ連れていくこともあれば、寝室に次々に子ども達がやってきて順番に何人も寝かしけていくことも。どうやったら寝る環境が作れるかはわかるようになりました。

寝かしつけに大事なのは、観察流れ。タイミング、雰囲気、触れる場所も含めて、その子に合ったものを探るんです。それを、ママたちにフィードバックしてアドバイスすることも、わたしの重要な仕事になっています。

寝かしつけについて語るうすいみほ

多い時は一度に30人を寝かしつけました小児はりのはりきゅう師

 

多くの夜泣きとかんしゃくの子どもを施術

―では、伊藤先生も。ねんねトレーニングの出会いも含めてお願いします。

伊藤: わたしははりきゅう師で、鍼灸の中に、小児はりという分野があります。小児はりといっても、はりをさすわけではなく、金属の道具でツボをなでたり、さすったりする、気持ちのよいものです。10才までのお子さんに適応があり、おもに、夜泣きとかんしゃくのお子さんが来院されています。

私の息子が0歳だった時に、夜泣きがひどかったんです。3時間以上続けて眠ったことがなくて、抱っこでやっと寝たと思っても布団に置くとすぐに泣く。いわゆる背中にスイッチがあるんじゃないかと思うくらいでした。

1歳になった時、私の心身が限界で、何か方法はないかとインターネットでさがしたところ、「ねんねトレーニング」に出会い、さっそく試してみたんです。すると、ねんねトレーニングをはじめた3日後には連続8時間眠るようになって

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3日目には8時間寝るようになった。

市原: 8時間も寝るとは!それは、すごい変化!

伊藤: そう!ここまで劇的な効果があるとは思わなかった。その後は、自分の経験から小児はりを学び、今では、夜泣きのお母さんに、小児はりの施術、スキンタッチの指導、ねんねトレーニングの指導を行っています。

『心身』と『習慣』から夜泣きを見る

伊藤: 夜泣きに関しては、ふたつの側面からみます。

1つは、お子さんの心身の状態。「疳の虫」って、聞いたことありますか? 発達の途中で脳や神経が不安定になることがあります。いわゆる「疳が強い」お子さんには、小児はりやスキンタッチで、気の流れを整えることを優先します

もうひとつは、寝かしつけの習慣。抱っこじゃないと寝ない、おっぱいじゃないと寝ないっていう、寝かしつけ習慣の影響

わたしのねんねトレーニング指導では、お子さんの様子や体質をみて、お母さんのお話をうかがって、どちらの影響がより強いかを見極め、それぞれに合った指導をしているんですよ。どちらかというと、寝かしつけ習慣による夜泣きが多いかなあと感じています。

ねんねトレーニングの方法

ねんねレーニングについて語る伊藤かよこ

ねんねトレーニングの一番の肝は、ふとんの上で寝入ること

―具体的に、ねんねトレーニングではどんな指導をしていますか?

伊藤: ねんねトレーニングの、根幹はシンプルです。おっぱい、抱っこ、と寝かしつけは分ける。抱っこやおっぱいで寝るのではなく、お布団の上で眠りに入るよう練習してもらいます。

具体的な指導方法は?

市原: ふとんの上で眠りに落ちるようにする。ねんねトレーニングの本を読むと必ずその重要性が説かれていますよね。わたしも、何度かやろうとしたことがありますが、挫折しました。同じように、ここを難しい!と感じるお母さんは多いかと思います。どうやって指導していますか?

伊藤: タイミングをよくみて、いかにも寝そうな、寝る直前の状態で置くんです。最初は、そこでわ~っと泣くかもしれません。でもすぐに抱きあげず、声をかけながら両手で包み込むようにとんとんします。

1回でもできると、余裕が生まれる

市原: みなさん、できるようになりますか?

伊藤: それは、月齢やその子によって違いますね。ただ、最初はうまくはいかなくても、あきらめずに繰り返すとうまくいく時があるんです。

1回でもうまくいくと、お母さんに自信がつくし、その余裕が子どもにも伝わるのでしょう。これは私の経験ですが、ぎゃん泣きしている息子を抱き上げず、両手で包みこんでとんとんしていたんです。すると、突然泣き止んだかと思うと、そのまますとんと眠りに落ちたんですよ。

あの時はびっくりしましたね。スイッチが切りかわったように、ストンと。それをみた瞬間、あ、本当にこういうことが可能なんだって。

ねんねトレーニングについて語る伊藤かよこ

突然泣き止んで、すとんと眠りについた。

市原: どの位、時間がかかりましたか?

伊藤: 3日目には抱っこなしで眠れるようになりました。

市原: 今までねんねトレーニングを指導されたお母さん方は、どの位でできるようになりましたか?

伊藤: それは、もう人によって違います。

ねんねトレーニングを成功させる考え方

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こうでなければ。思い込みで、自分を苦しめてしまう。

伊藤: そうそう、ねんねトレーニングはしなければならないものではありませんからね。要はお母さんが、困っているかどうかです。あまり困っていないのなら、抱っこでもおっぱいでも、今のままの寝かしつけでいいんですよ。

ただ、うちの子は抱っこじゃないと寝ない、と決めてかからないことです。子どもって、どんどん変化するから。一週間でも大きく変わることがありますよ。

みほ: そうそう!同じ日でも、このひとのときはこう、あの人の時はこうって、みんなちがう。

伊藤: うちの子は、このやり方でないと寝ないって思い込みがちですね。それはかえって自分を苦しめます。そんなことはないですよ。

おっぱいじゃなきゃだめという言葉

みほ: 昔だったら、おばあちゃんとか、近所の人とか、親戚とかが、寝かしつけてくれてたりしたんですけどね。私自身も、家にひとが集まる家庭だったので、いろんな人に寝かしつけしてもらって育ったらしいですし(笑)

伊藤: そう、それがよかったんですよね。最近では、お母さんじゃなきゃだめ、おっぱいじゃなきゃだめ、という言葉をよく聞きます。

市原: 今じゃ、おじいちゃんおばあちゃんも近くにはいないことがほとんどですし、近所のひとにみてもらうなんてこともリアルティないですよね。頼れるものを作っておきましょうっていっても、なかなかないですよね。

困っているなら勇気を出して

みほ: こそだてサポートや、ベビーシッターはうまく利用するといいと思いますね。ママとはちがう方法で寝かしつけに成功したことをママに伝えると、こういう方法もあるのかっていう発見にもなりますし。

市原: その時間がうれしいだけじゃなくて、新しい発見にもつながりますね。

伊藤: あまり困っていなければ現状でいいし、困っているなら勇気を出して動いた方がいい。寝かしつけの方法を変えるなり、頼れる人を探すなり、できることはたくさんありますよ。

困っているなら、勇気を出して動いた方がいい

困っているなら、勇気を出して動いた方がいい

 

背中スイッチなんてないんです。習慣化しただけで。

―うちの子には、背中スイッチがあって、という声をよく聞きますが。

伊藤: まるで背中スイッチがあるかのように感じますよね。だけど、それも単なる今までの習慣です。どのお子さんも布団に置いて、眠れるようにはなります。ただ、それまでの習慣が長いとなかなか変わりにくいかもしれません。

夜泣きで悩むのは、子どもに対して精一杯の愛情をかけて、あらゆることをやっているがんばりすぎのママが多いんです。

下の子は、ほっておいても寝る!?

夜泣きの悩みで来院される方は、1人目のお母さんがほとんどです。2人目、3人目は、ほっておいても寝てくれることが多いですね

市原: そうなんですか?びっくり!

みほ: 下の子は寝ますよね。

伊藤: 第一子の男の子のお母さんが7割くらいでしょうか。少しでも泣くと、つい抱き上げてしまう、抱っこでないと寝ない習慣になってしまっています。

市原: それは、目からうろこですね。どうしても、気質なんだって思いこんでしまう。

かまいすぎ?さびしい?どっちのパターンか

みほ: 例外として、日中、ママとあんまり一緒にいれない子で、寝る時だけは、たくさん抱っこしてもらえる!という子は、どうやっても抱っこじゃないといやだ!って、なる場合もありますね。

そういうときは、寝る前に、十分にスキンシップなんかのコミュニケーションをとること。例えば、今お子さんが好きなことを一緒にする。歌でも、絵本でも、遊びなんでもいいんです。あと、大事なのは、“たっぷりの抱っこ”。そういった、入眠儀式をしっかりとり、お子さんが愛情をしっかりと受け止められるようにする。その上で、布団やベットに置くという、習慣が可能になっていくんだと思います。

伊藤: そうなんだ。そういう場合もあるんですね。

みほ: 多くの保育園では生後3ケ月や1歳からお預かりしますので。日中、一緒にいれない寂しさを、夜埋めたい。

日中一緒にいれないさびしさを埋めたいという寝ぐずりもあります。

日中一緒にいれないさびしさを埋めたいという寝ぐずりもあります。

 

さびしいなら、いちゃいちゃタイム

市原: しっかり愛を伝える入眠儀式を行うのが大事になるんですね。

伊藤: 本でも、いちゃいちゃタイムを取りましょうというのが、書いてありますね。

鍼灸院にいらっしゃるママは、できることは全部やっている完璧主義の方が多いのです。だから、かまいすぎにならないようにと伝えていたけど、そうか、寂しいというパターンがあったんだ。

市原: 2パターンあるんですね!

毎回迷うと大変。交渉しない

みほ: お母さんが、毎回、どうしようかな、抱っこしてあげたいな、って迷いがあると、こどもにも伝わってしまう。1回だけだよ、今回だけだよ!って例外を作ってしまうと、甘えたらママ、来てくれるかもしれない。がんばればなんとかなるかもしれないって思うんですよね。

毎回が、ママとの交渉になるんです。すると、泣く時間、泣く期間が長くなってしまう。

市原: 確かに。やりきる決心って、ほんと大事ですよね。

ごめんね~と構い過ぎてしまう

みほ: あと、ねんねトレーニングをはじめて夜にこどもが泣くと、お母さんがすごい罪悪感を持って。日中、ごめんね~ってかまい過ぎてしまったりすることがあるみたいですね。

ねんねトレーニングが結果的に、いいことだよって、お母さんとこども、2人のしあわせにつながるよって、ちょっと心の余裕を持ってできたらいいんですけどね。

伊藤: 「泣き続けても抱き上げないでください、それがいいことですから」とは、決して言えません。そこは、もう、ひとりひとり違うから。

『さあ、ねかすぞ!』こわばった顔に

みほ: 自分にプレッシャーをかけすぎてしまうと『さあ、ねかすぞ!』っていう、緊張したこわばった顔になってしまうんですよね。それを察知して、こどもも緊張してしまうという…。

伊藤: わかりますよ。もう、夜が来るのが恐怖で。あの夜泣きの日々は、ほんとに、生きているだけで精一杯でした(笑)

あの日々は、生きているだけで精いっぱい(笑)

夜泣きがひどかったころは、生きているだけで精いっぱいでした(笑)

 

まとめ

ねんねトレーニングがどんなものなのかはイメージできたでしょうか。

シンプルにいうと、

  • 置いた状態で眠りに落ちるように誘導する
  • 夜に起きても、自分でもう一度寝入ることができるように誘導する

この2点に尽きるようです。

具体的に何をするかはわかっても、<どうしてそうなのか>を理解していないと、やり遂げることは難しいもの。ねかしつけ会議では、第二弾ではどうしてねんねトレーニングで赤ちゃんが長く寝るようになるのかを話し合いました。

ねかしつけ会議②ねぐずりと夜泣きの理由

ぜひ、ごらんください!

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